2024年3月5日
熊本県い草品評会と畳表の研修会 2024年2月8,9日
国産の畳表といえば熊本県産が9割以上を占めておりますが、い草が栽培されている熊本県八代市では毎年い草の品評会が行われています。
品評会とは、育てた“い草”がどれだけ上手く作れたかを競う部門と、そのい草を畳表として仕上げた製品の綺麗さを競い合い、誰が1番良かったかを評価する部門の2種類あります。
私は畳職人ですので、私の普段している仕事は、ここ熊本の農家さんが作った畳表という材料を購入して、お客様のお家の部屋の寸法に合わせて加工するのが本来の仕事です。
今回この品評会を見に来た目的は、やはり今年1番に輝いた素晴らしい畳表を実際に目にする事でした。
「農林水産大臣賞」がそれになるのですが、
今年受賞されたのは、この方、“早川猛”氏です!
おめでとうございます!
早川さんは、い草作りから製織に至るまで、本当に綺麗で素晴らしく、我々の業界の中ではレジェンドと呼ばれる存在です。
この方の織られた畳表をお客様にもぜひ使用して頂きたいです。
この他にも2等とはいうものの、素晴らしく綺麗な畳表が、いくつも並んでいました。
この「農林水産大臣賞」レベルの畳表で施工する事は滅多にある事ではありませんので、しっかりと脳裏に焼き付け、会場を後にしました。
次に訪れたのは、何軒かの地元のい草農家さん。
畳表を実際に製織される所を見学させて頂きました。
こちらが畳表の織機です。
こちらが、製織機にかける前のい草です。
機械の左右に同じ様に置かれており、これが自動で織り込まれるわけですが、い草というものは当然天然の植物であり、草としての粘りや実入りの少ない物は、製織途中で折れたり切れたりしてしまうのです。
真ん中に切れたい草があるのがお分かりでしょうか?
これは発見次第機会を止めて抜いてしまうそうです。
また出来上がったあとも、こういった事が他にないかを確認してから出荷となります。
本当に細かい作業をらしてらっしゃいました。
農家さん、いつもありがとうございます。
その後、もう一軒の農家さんにもお邪魔致しました。
こちらでは、実際にい草の選別の体験をさせて頂きました。
せっかく良く育ったい草であっても、途中で折れ曲がっていたり、歪な物があれば、それを取り除きます。
私がやるとそれがなかなか見つけられず時間だけが経過していきますが、流石にプロはあっという間に選別されますね。
素晴らしい!
その後、農家さんが実際にい草を栽培されている田圃を見学しました。
い草栽培のご苦労をお聞きしました。
いつかはトップを目指しているとおっしゃられるだけあって、田圃も綺麗に整理されていました。
ご本人はご謙遜されてましたが。笑
こちら地元の問屋さん曰く、若手急成長の中田さん。
い草作りへの情熱がとても熱く、いくつもの質問に真摯にお答え頂きました。
お忙しい所、丁寧に接して頂き本当にありがとうございました。
今レジェンドと呼ばれている方々も年齢的な事を考えれば、いつまでも続けられるわけではありません。
次世代のレジェンドと呼ばれる方々の1人になると、確信しました。
中田さん、これからも素晴らしい畳表を宜しくお願いしますね!
さすが熊本。帰りの新八代駅など、「くまもん」が至る所にいてくれました。
私達のような県外からの者の心をいやしてくれました。
これで、熊本研修は3回目になるでしょうか。
いつもお世話になっております、地元の問屋さんなど、関係者の皆様本当にお世話になりました。
また来年も行きたいと思ってます。
その時は宜しくお願い致します。
m(_ _)m